DIE WEISSE ROSE - 文字の抵抗
「白バラは散らず」のリデザイン本。原書は40年代ドイツで権力への抵抗を試みた学生・教授グループの記録を綴った本です。言葉の力のみを武器に必死の抵抗を続けた彼らの態度を表現すべく、タイポグラフィのみを用いて部分的に「読みにくさ」をデザインしました。読みにくい箇所に顔を近づけ指でなぞり、時には本を回転させることで、単に目で記号を追うだけではない、読み手の身体を使った積極的な読書を図ります。またハードカバーの表紙と裏表紙には、白バラメンバーが残した抵抗文を刷りました。彼らが残した言葉を開くことで物語が始まります。本の開きやすさを考慮し、背表紙は付けず糸かがりで製本しました。
為国立子
/ TAMEKUNI Riko