髙木毱子 (同志社女子大学メディア創造学科准教授)
作品をつくることは、自分自身と向き合うことを意味する。
テーマの選択とコンセプトの策定から作品制作が始まるものの、このプロセスは、周囲からも自分自身の状態からも左右される。
トレンドだけでなく、その時々の社会の問題や課題、まとめて言えばその時代の空気がフレーム(枠)の様なものとなり、制作者個人の興味、経験、視覚的アーカイブ(それまでに見てきたもの)、能力と技術、創作意欲、そしてもちろん精神状態を作品は写し取る。
それは、振り返っても再現できないスナップショット。
メディア創造学科の学生は、作品制作を在学中に何度も行う。ただし、その作品を授業外で見せることは稀である。
自分の作品を他者に見せるには、勇気がいる。作品を他人に見てもらい、評価してもらう事は自分の一部を曝け出す様な行為だからだ。
ただし、自分の思い、可能性、そして実力を発揮する為にはこの様な発表の場が欠かせない。進級制作展はその様なステージを与えてくれる大事な機会だと思う。
2021年の合同スナップショットは何を映し出すのでしょうか?