同志社女子大学 メディア創造学科
進級制作展’25 orbit


『ECO? EGO?』

冊子、手製ケース

橋本煌

髙木ゼミ

この作品では、現代社会を取り巻く「ECOCENTRISM」の実態と、人間の持つ「EGOISM」の間に生じている違和感やズレについての個人的考察を述べている。
2つの矛盾する意識についてどう向き合っていくか、環境問題について考える時間を少しでも増やせるような内容になるように簡素なイラストと読みやすい文字デザインを工夫した。また、読み進めてもらえるように興味を持ってもらえるように簡易的な仕掛けを施している。
そして、手製のケースは開くと仮面になるデザインになっており、人間の心の多面性を表現している。


『記録』

冊子・メモ、A4

へいないとうこ

髙木ゼミ

このゼミは、もの作りの過程で(主にブックデザイン)、社会問題や環境問題について考えながら日常生活の当たり前を批判的に見る力を養い、自分の選択に対して責任を引き受け、社会に対する当事者意識を身につけることできるゼミだと、私は考えています。
1年間考え続ける・記録することを通して、ここまで自分の頭に向き合い続けた自信と、残りの学生生活を悔いなく過ごすための基盤を築けたように思います。
また、社会に対する当事者意識も身につきました。これまでのメモ(思考のカタチ)を見返すと、一度書いた言葉が新鮮に見えて新しい気づきが自分の中で生まれている事を実感できました。
私は課題提出の為ではない本、何度でも見返したくなる本、作った後も責任を持てる本を目指していたので、その課題はクリアできたと思います。そして、1番は自分が作られているという感覚が強いので、作品よりもこれからの私の行動を見ていただきたいです。


『ENOUGH 』

本、ポストカード

弘山紗愛

髙木ゼミ

今回の制作テーマは「enough」です。本2冊とポストカードを制作しました。きっかけは、好きな“服”が環境問題と深く関わっていると知ったことです。いつでも買えてしまう服ですが、人権問題や水消費の問題と深く関わっていることを学びました。そこから服で文字を形づくるという発想にいたり制作しました。服の大きさや色で印象が変わる点にも注目していただきたいです。紙はコットン素材を用い、素材面でも意味を重ねています。enough2では革製品、とくに牛革に着目し、種類や背景をイラストで表現しています。食肉産業の副産物として活用される側面も含め、素材を知ることの大切さや、私たちが選択の中でできる行動を伝えたいと考えました。また洋服を選ぶ上で気にするべきポイントや私たちが身近にできるものは多くあるということも知りこれからの行動に繋げていきたいです。


-

『DEAROWTH』

ブック、ポスター、オブジェ、ケース

井手文音

髙木ゼミ

作品のタイトル「DEAROWTH」とは、DEGROWTH(脱成長)とearthを組み合わせた造語です。経済的な成長を前提としない社会のあり方と、地球との関係性をあらためて見つめ直したいという思いを、この言葉に込めました。
今の社会は、便利さや経済成長を優先する一方で、環境と未来の負担を後回しにしている状態だと言えます。「脱成長」とは、「経済を大きくし続けること=豊かさ」という考え方を見直し、必要以上に使う・作る・買う・捨てる社会から、人と環境が無理なく生きられる社会へ転換しようという考え方です。
本作品では、「脱成長」を視覚的に楽しみ、新しい考え方を知ってもらうことを目的としています。メインの作品として詳細にまとめた冊子と、感覚的に知ってもらえる蛇腹を制作しました。ポスターは、「新しい考え方に光を照らす」体験ができるよう、陰でDEGROWTHの文字が浮かび上がらせました。また、作品のアイコンとしてシードボールに見立てたオブジェを制作しました。


『くりかえされること』

イラスト本

伊丹茉白

髙木ゼミ

「くりかえされること」というタイトルの本作品には、二つの想いが込めました。一つ目は、何気なくくりかえされる日常の積み重ねが、環境問題につながっていることに気づいてほしいという想いです。二つ目は、当たり前に続く日々の尊さを見つめ直すきっかけにしてほしいという想いです。
繰り返される日常を表現するために、蛇腹本という形態を用いました。また、イラストを取り入れることで、環境問題を過度に深刻に捉えるのではなく、まずは考えるきっかけとして受け取ってもらえるよう工夫しました。


『いただきます』

冊子、ポスター

河井真優

髙木ゼミ

本作品は、食品ロスをテーマに扱い、食品・生産者・消費者という三つの視点から見える食の姿を描いた絵本です。一食の料理が食卓に並ぶまでの物語を三冊に分けて紡ぐことで、それぞれの立場の思いに触れながら、身近な話題として感じてもらえることを目指し制作しました。全体を通して、色鉛筆による柔らかなタッチと温かみのある色彩を使用し、読者にそっと寄り添うような雰囲気を演出しています。忙しい毎日の中で、毎回の食事と丁寧に向き合うことが難しい場面も多々あると思います。しかしながら、命を繋ぐ大切なひとときだからこそ、この物語が一度一度の食事を振り返るきっかけになれば幸いです。


『The Planetary Case File』

三﨑千颯

髙木ゼミ

《地球環境異常報告書》及び《地球マニュアル》は、同じ地球を記録した二種類の文書が異なる時代に存在したという設定のもと制作された作品である。
《地球環境異常報告書》は、環境悪化が顕在化しつつも、対処と改善の余地が残されていた時代に編纂されたという想定で構成されている。記録された数値や予測は未来を変えられたかもしれないという可能性を示している。
一方、《地球マニュアル》は、人類が惑星での存続をほぼ断念した最終局面に作成されたという設定のもと、残された観測記録を基に自律AIが編纂した体裁をとった。 これらの二つの文書は、「まだ止められたかもしれない時代」と「もはや止められなくなった時代」を隔てている。

@__ziggy.13


『WATER SHORTAGE』

中川智詠

髙木ゼミ

本作品は、水不足という国際的課題を体験的に表現したアートブックである。人口爆発の調査をきっかけに、水不足という日常生活の中では意識されにくい問題を、より身近なものとして捉え直してもらうことを目的として制作した。切り絵の手法によって問題の見えにくさを表現し、ページをめくるごとに水の量が減少し人口が増加する構成とすることで、資源の有限性やバランスの崩れを視覚的に示している。さらに透明なしおりに具体的な情報を掲載し、感覚的体験と知識理解の両面から水問題への関心を喚起する。糸かがり製本や透明素材を用い、水資源の問題が私たちの生活と不可分であることを表現した。


『ころる』

手製本

成澤かれん

髙木ゼミ

この本は、環境問題といきものをテーマにした作品。「地球温暖化」「プラスチック」「ポリネーター」の三つを軸に構成している。環境問題と聞けば、真面目な話を受けなければならないと感じるかもしれない。けれど問題となっているからこそ一度は向き合う必要があると思う。私にとって今がそのタイミングだった。この本は、絵と文章が中心となっている。クラフト紙やボール紙を用いたコプティック製本で、温かみと柔らかさを感じられるものにした。読む人が構えて手に取る必要がないように。展示当日には、提示した問いへの意見や感想を来場者に記入してもらった。それらをシロクマのいるところに入れてもらうと海氷が浮かび上がる。


『Re:』

冊子、カード

西谷ゆう

髙木ゼミ

本作は、人類が地球の再生能力を超えて自然資源を消費している「生態学的超過(オーバーシュート)」の状態を、18のデータログ(DATA LOG)として可視化したデザイン作品です。 現在の人類は地球1.75個分に相当する資源を消費し、未来世代からの「借金」で経済を回しています。 本作では、気候変動、生物多様性の喪失、海洋酸性化、食品ロスといった多岐にわたる環境問題を具体的な数値で示し、それらを幾何学的かつ抽象的なグラフィックで表現しました。 各デザインコンセプトには、生態系というセーフティネットが静かに崩壊するプロセスを表現したグラデーションや、CO2で飽和し窒息する空間をイメージしたドットの集合体など、視覚的なメタファーを込めています。 物理的な許容量を突き破る「超過」の瞬間を形にすることで、現代社会が抱える「目に見えない赤字経営」の深刻さを突きつけ、持続可能な未来への接続を問い直します。


『地球を学ぶトランプ』

カードゲーム

沖津佑紀

髙木ゼミ

環境問題やジェンダーに関する問題など、地球上で起きているさまざまな問題とその原因・現状・解決策をデザインしたトランプを制作しました。今学期のゼミで地球で起きている問題について学んでいく中でそれらの問題を解決するために私たちにできることは何かを考えるようになりました。問題を解決するためには、まず「知ること」が大切だと考え、さまざまな問題を広く知ることができる作品を作ろうと思いました。また、見るだけでなく参加・体験してもらうことで、問題を自分ごととして捉えてもらいたいと考え、カードゲームという形式を選びました。トランプは一度は遊んだことのある人が多いカードゲームだと思うので、環境問題やジェンダー問題に関心が薄い人たちに対しても親しみやすい作品にできるのではないかと考えました。この作品が地球上で起きている問題を知り、危機感を持ち、何か行動を始めるきっかけになれば嬉しいです。


『地球で生きるわたしたち』

アニメーション、冊子

折野心

髙木ゼミ

環境問題について考えることは地球を守ることに繋がります。私は宇宙でたったひとつしかない地球をテーマに、その地球で生きる私たちが少しでも地球について考えるきっかけになればと思い本作品を制作しました。2分程度の短いアニメーションで少し抽象的な物語となっており、ビー玉のような玉を地球に見かけてその玉が変化する様子を描きました。冊子では私自身が捉えている環境問題を等身大で記しており、アニメーションの理解が深まるよう意識して制作しました。


『Choose Your Turn』

カード、編み物作品

塩﨑美惺

髙木ゼミ

本作品『Choose your turn』は、社会問題との関わり方における「距離の選択」に焦点を当てたカード作品である。 現代では、環境問題やジェンダー格差などに関心を持ち、行動することが望ましい態度として語られる場面が多い。SNSや授業の中で、「知らない」「関わらない」ことが否定的に受け取られる空気に、息苦しさを感じた経験も少なくない。
しかし私は、行動しないことが必ずしも無関心を意味するわけではないと考えている。学んだ上で距離を取ること、考える時間を持つこと、自分にできる範囲を選ぶこともまた、ひとつの誠実な関わり方である。本作品では、「社会問題にどの距離で関わるかは、個人が選んでよい」というメッセージを伝えることを目的としている。
作品はカードゲームをモチーフにした全12枚のカードで構成されており、「見守る」「休む」「選ばない」「否定しない」の4つの分類に分かれている。カードゲームには、どの手を切るかを自分で決める構造がある。そこから、社会との関わり方もまた“自分のターンで選べるもの”として捉えられるのではないかと考えた。
各分類にはテーマカラーとシンボルを設定している。また、編み物の要素を取り入れることで、選択の自由に柔らかな温度を持たせた。ほどいて編み直せる編み物は、選択が固定されず、いつでも変えられるという象徴でもある。
社会との距離をどう選ぶか。その手札を握っているのはいつだって自分自身である。


『Limitemize』

ワークショップ(リーフレット・ステッカー・ポスター・カード)

多田瑠々花

髙木ゼミ

アパレルブランドが飽和する現代において、私たちはいつでも、どこでも、思うがままに「欲しい服」を手に入れられるようになりました。その手軽さに包まれた環境のなかで、私たちはいつしか“ひとときの楽しさや美しさ”を追い求める衝動に振り回され、必要以上の消費を繰り返しているのではないでしょうか。 本展示は、「一人が所有できる服の数が限られた世界」をコンセプトにした、着せ替えシール形式の体験型展示です。来場者は全45種類のシールの中から、「春・夏・秋・冬それぞれ1コーデ」と「通年で使える小物4アイテム」の計12点を選び、自身のリーフレットに貼り付けていきます。選択したシールはリーフレット裏面のタイプ診断へとつながり、体験者の価値観を映し出します。極限の取捨選択を通して、服に何を求めているのかをそっと見つめ直す——そんなきっかけを生み出すことを、本展示の目的としています。


『NO LONGER ANIMAL』

ワークショップ(リーフレット・ステッカー・ポスター・カード)

山本歩思菜

髙木ゼミ


『TABOO』

手製本

安井環

髙木ゼミ

ジェンダー問題など、世の中におけるタブーとされていることを物語にし、描いた4つの短編集。使用した紙の種類は、ボール紙、石目紙、ファンシーペーパー、里紙、フリッター、アラベールの計6種。こだわった点としては、TABOOというタイトルをスパッタリング技法を用いて表現したところにある。また、女性のイメージがありつつも、かつては男性の色とも言われていたピンクを基調とした装丁にした。また、本紙では編ごとに紙の種類を変え、「タブーに触れる」というコンセプトのもと、触れたくなるような特殊な紙を用いた。